令和6年4月1日から相続登記が義務化になります。

国民金融公庫の抵当権抹消について

奈良県香芝市の司法書士松井睦人です。

今回は、現在の抵当権者の名義が国民金融公庫である場合の抵当権抹消についてです。

最近、日本政策金融公庫への抵当権移転登記を事前にやってくれていることが多いため、久しぶりに抵当権移転登記がされていない案件が舞い込んでくると、正直やり方を忘れており、取引が絡んでくると少々不安に駆られます(笑)

そこで、今回は、国民金融公庫が抵当権者である場合の抵当権抹消をするに際の論点について書きたいと思います。

目次

国民金融公庫の沿革について

昭和24年6月1日           国民金融公庫設立
平成11年10月1日国民生活金融公庫に名称変更
(同時に環境衛生金融公庫を統合し、環境衛生金融公庫は解散)
平成20年10月1日国民生活金融公庫が解散し、株式会社日本政策金融公庫に承継
(株式会社日本政策金融公庫法附則第15条第1項)                 

抵当権者の名義が国民金融公庫の場合の論点

国民金融公庫から国民生活金融公庫への変更の意味

上記沿革のとおり、国民金融公庫は、平成11年10月1日、国民生活金融公庫に名称を変更しています。あくまでもこのときの変更は名称の変更であり、国民金融公庫が国民生活金融公庫へ事業を承継したわけではありません。そのため、抵当権者の名義が国民金融公庫であっても国民生活金融公庫であっても単に名称に変更があっただけなのでそれほど大きな問題ではありません。

なお、国民金融公庫から国民生活金融公庫への名称変更を証する書面については、名称変更の事実が法附則第二条の規定により明らかなので添付を省略することができます

日本政策金融公庫への抵当権移転の要否について

上記沿革のとおり、平成20年10月1日、国民生活金融公庫は解散し、株式会社日本政策金融公庫に事業を承継しています。(株式会社日本政策金融公庫法附則第15条第1項による承継)

このため、平成20年10月1日以前に抵当権の抹消事由が発生している場合と、平成20年10月1日以降に抵当権の抹消事由が発生している場合で、抵当権移転の要否が代わります。

1.平成20年10月1日以前に抵当権の抹消事由が生じている場合

平成20年10月1日以前に抵当権の抹消事由が生じている場合(つまり国民生活金融公庫から日本政策金融公庫への承継が生じる前に抵当権抹消事由が生じている場合)には、日本政策金融公庫への抵当権移転の登記を申請する必要はありません。そのため、実際に抵当権を抹消する場合には、以下申請書のように、国民生活金融公庫を承継した日本政策金融公庫が申請人(登記義務者)となり登記申請することとなります。なお、その際、登記義務者欄には、「国民生活金融公庫承継法人 株式会社日本政策金融公庫」と記載する必要があります。

※1 国民金融公庫から国民生活金融公庫への名称変更を証する書面は、名称変更の事実が法附則第二条の規定により明らかなので添付を省略可。

2.平成20年10月1日以降に抵当権抹消事由が生じている場合

平成20年10月1日以降に抵当権の抹消事由が生じている場合には、原則どおり1件目で抵当権移転(国民生活金融公庫から日本政策金融公庫へ)登記を申請してから、2件目で抵当権抹消登記をすることになります。

まとめ

1.国民金融公庫は、平成11年10月1日、国民生活金融公庫に承継したのではなく、名称を変更した。

2.国民金融公庫から国民生活金融公庫への名称変更を証する書面は、名称変更の事実が法附則第二条の規定により明らかなので添付を省略可。

3.抵当権を抹消する際、抵当権者の名義が国民金融公庫(国民生活金融公庫)であるときは、抵当権移転登記が必要かどうかを必ず確認する必要がある。

4.抵当権移転登記が必要かどうかは、抵当権の抹消事由が平成20年10月1日「以前」か「以降」かによって変わるため、抹消事由がいつ時点なのかを必ずチェックするようにしましょう。

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