奈良県香芝市の司法書士松井です。
会社の組織変更や機関設計の見直しに伴い、『監査役を廃止したい』というご相談を非常に多くいただきます。
その際に疑問となることが、『監査役を設置する旨の定めを廃止』(それに伴い監査役を退任)した場合、『会計監査に限定する旨の登記』は自動的に消えるのかどうか?
一見すると細かい論点のようですが、実務上は登記の漏れ・誤りにつながりやすい重要なポイントです。
今回は、司法書士の実務の視点から、できるだけ分かりやすく解説いたします。
監査役設置会社を廃止した場合、「会計監査に限定する旨」の登記はどうなるのか?
結論から申し上げます。
監査役設置会社を廃止した場合、『会計監査に限定する旨の登記』は自動的には抹消されません。
つまり、『監査役設置会社の定めの廃止』及び『監査役の退任』の変更登記をするだけでは、『会計監査に限定する旨の登記』が職権で抹消されるわけではないということです。
そのため、『監査役設置会社の定めの廃止』及び『監査役の退任』の登記をする場合には、『会計監査に限定する旨の定めの廃止』の登記を同時にする必要があります。
この点は、実務上見落としやすい論点です。
実務上、どう対応すべきか(取締役会非設置会社の場合)
株主総会議事録であわせて決議すべき重要ポイント
『監査役設置会社の定めを廃止』する場合、株主総会議事録において『会計監査に限定する旨の定めの廃止』についても、明確に決議しておくことが重要です。
そのため、株主総会議事録には、
- 『監査役設置会社の定めの廃止』
- 『監査役の監査範囲を会計に限定する旨の定めを廃止』
の双方を明確に決議事項として記載することが重要です。
実務上、どう対応すべきか(取締役会設置会社の場合)
株主総会議事録であわせて決議すべき重要ポイント
取締役会設置会社は、必ず監査役を設置する必要があります。そのため、監査役設置会社の定めを廃止する場合には、同時に取締役会設置会社の定めを廃止必要があります。
そのため、株主総会議事録には、
- 『取締役会設置会社の定めの廃止』
- 『監査役設置会社の定めの廃止』
- 『監査役の監査範囲を会計に限定する旨の定めを廃止』
の全ての事項を明確に決議事項として記載することが重要です。
また、『株式の譲渡制限に関する規定』について、株式の譲渡に『取締役会の承認』が必要となっている場合には、上記の事項に加えて、次の事項も決議する必要があります。
- 『株式の譲渡制限に関する規定の変更』
取締役会がなくなったのに、取締役会を承認機関としておくことはできないからです。
株主総会の決議等、別の機関を承認機関に変更しておく必要ので、加えて確認することが重要となります。
ご自身で登記される方が特に注意すべき点
法人登記を自分でしようとされる方の中には、
- 「監査役をやめる登記だけ出せば足りる」
と考えてしまう方も少なくありません。
しかし実際には、
- 登記事項の漏れ
- 抹消すべき事項の失念
があると、
- 補正の指示が出る
- 登記が却下される
- 後日、再度登記が必要になる
といったトラブルにつながります。
特に機関設計の変更は、会社法と登記実務の両方を正確に理解していないと判断が難しい分野です。
松井司法書士事務所(奈良県香芝市)からのメッセージ
奈良県香芝市の松井司法書士事務所では、
- 監査役設置会社の廃止
- 機関設計の見直し
- 関連する抹消・変更登記
について、誰にでも分かりやすい説明と、漏れのない確実な登記手続を常に心がけて対応しております。
「この登記は本当に必要なのか」
「一緒に消すべき登記事項はないか」
といった点も含めて、専門家の立場から丁寧に確認いたします。
法人登記を自分で行うか迷っている方、
手続に不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
親切・丁寧な対応で、会社の大切な登記を確実にサポートいたします。
